もう、こんな事は知っている方も多いかと思いますが、、
最近また、気になったのでちょっと独り言。。
料理屋さんなどで帰り際に勘定を払うとき、お客さんが使う言葉。。
『 お愛想 (おあいそ) 』 これは本来、お店の人が勘定書を渡すときに使った物ですが、
これをお客様から言われることが多いのです。 でも、これは間違った言葉の使い方です
それについて少し・・・
まず、語源ですが、まだ人々の生活圏が歩いていける範囲であったころには、
馴染みの店の勘定は少し残して払うのが当たり前でした。
つまり、「ツケ」を残すことによって、次に来る口実を作る為にです。
しかし、中にはきっちりしたい方もいるもので、勘定をきれいに払って帰ることがあります。
お店の方はきっちりしてもらって嬉しいかというと、そうでなく、
勘定を全額払うということは、先程の論理から言うと、「もう来ない」という意味になるのです。
そこで、店の人が 「もうこの店に愛想尽かしして、来ない気でいるな」 という感じで、
すねるように、「おや、○○さん、お愛想だってよ」という言葉が、「店の側から」出てくるわけです。
つまり、この台詞は、店側が使う符丁で、お客が使うものではないのです。
その後、料理屋さんでも 「本当はこのままいて欲しいのですが、ここで勘定を払って頂こうと
思います」 と言う意味で使い始めたのが最初です
これをお客の側が 「おあいそして」 というと 「こんな店愛想が尽きたから精算してくれ」
という意味になってしまうのです。。
言語は常に変わっているのだから別に気にしないでいいのではないのか
という考えもあるのですが、「お勘定」と「おあいそ」がホントに交換可能ならば、
「お勘定書き」が、「おあいそ書き」になっても違和感はないはずです。
しかし、ちょっと違和感ありますよね?
「支払明細」が「おあいそ明細」になっても変ですし、「精算書」が「おあいそ書」となっていたら、
気分的に精算はしたくなくなるしょう。 (ちょっと強引?)
要するに、「おあいそ」 という言葉は、飲食店の精算時にのみ使われる 「符丁」 なのです。
「符丁」 についても少し、、
例えば、お茶を 「あがり」 と言ったり、お醤油を 「むらさき」 などというのはまだ可愛いですが
お勘定をお願いする時に、お店の人達に対して「おあいそ」と言うに至っては・・・
おそらく、本人は何も知らないままに口にしているのでしょうが。。。
「符丁」というのはその社会の中で使う事を前提にしているわけですから、
部外者のお客が知ったかぶって、それらのことばを口にするのはいかがなものかと・・・
そのような言葉を喜んで使うような人は、「半可通」 と呼ばれます。
よく言われる事ですが、『 生兵法は大怪我のもと 』 ともいいますし、
よく意味も知らずに知ったかぶりをしてこういう符丁を使うのはあまり感心しませんし
『 カッチョ悪いです 』 店側の隠語は、店の人間が使ってこそ決まるものです。
お客に、「あがり、さしかえて」などと言われた日には、寿司屋の板前さんは、
「おーい、お客さんにお茶、お替り」というしかなく、どちらが客だか分からなくなってきて、
店内の空気も締まりません。。
つまり、「知ってて使わない」のがイキであり、ダンディであるわけです。
わからない時はお店の方に聞けばいいのです。 (決して恥ずかしくありません)
いいお店であれば、きちんと対応してくれるはずです。
もし、そうでない対応のお店でしたら、もう行かなくてもいいお店でしょうー
(BARでも同じです。。)それこそ 『 おあいそ 』 と言ってすぐに出て行くべきです。。
(愚主は小心者なので出来ませんが…)「おあいそ」 のように、通ぶって間違うのが一番かっこ悪いですから。
決まった言葉はないですが、お支払いの際は普通に
『 お勘定をお願いします 』 や
『 お会計をお願いします 』 『 チェック 』 なんかがいいかと・・・
その他
『 美味しかったです。ごちそう様でした 』 なんかでも気持ちよい言葉だと思います。。
「おあいそ」 だけでなく他にもこういう覚え間違いしやすい言葉ってありますよね。
気をつけないと・・・